「考える図書館」〜一人ひとりの心によりそって〜

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「ロゴスのほん箱」149号を発行しました

新刊図書目録「ロゴスのほん箱」149号(12月20日号)を発行しました。
以下より点字データとデイジーデータがダウンロードできます。

●「ロゴスのほん箱」 第149号(2024年12月20日発行)●
点字版(zip・BES 9KB)
デイジー版(zip・11MB)

また、最新号から「潮見からのメッセージ」を以下に掲載します。

 ☆潮見からのメッセージ☆

   読書バリアフリーと出版業界(2)

                                    館長 平井利依子

 あっという間に今年も終わりが近づいてきました。皆さまはどんな1年だったでしょうか。
 読書バリアフリー法は2019年に制定されましたが、今まで出版業界の動きはあまりありませんでした。というより、出版社側も何とかしようとしていたのですが、なかなか足並みが揃わなかったようです。しかし、ここにきて少し進展してきました。今回はそのお話をしようと思います。
 6月の「潮見からのメッセージ」で、4月5日に日本文藝家協会、日本推理作家協会、日本ペンクラブの「読書バリアフリーに関する三団体共同声明」に触れましたが、その後、日本書籍出版協会、日本雑誌協会、デジタル出版者連盟、日本出版者協議会、版元ドットコムの出版関連5団体が、「読書バリアフリーに関する出版5団体共同声明」を発出しました。
 先日、著者・出版社・図書館による、読書バリアフリーの講演を聞く機会がありました。それぞれの立場での意識改革が必要であることと、技術においての整備、ビジネスとしてどう展開していけるか、図書館が紙ベースと電子書籍の両方を用意できるのか等の課題があがりました。また文科省での教科書等教育現場での取り組み、厚労省での出版社からのデータ提供や、経産省での出版社のビジネスを視野に入れたアクセシブル書籍等々、縦割りでそれぞれ模索している状況も紹介されました。
 点字図書館は、点訳、音訳等の製作をして提供する業務がメインですが、どうしてもタイムラグがあり、出版と同時に提供することは不可能です。講演では、図書館側から、点字、録音、拡大写本、テキストデータ等が揃っていて、利用者が選べるような環境が整っていることが理想だという意見がありました。今後、著者が本と言えば紙という概念にこだわらず、出版社が技術を整え、ビジネスとしても支障なく、そして図書館が合理的に利用者へ提供できるしくみが作れたらいいなと思いました。そのためには、それぞれの業務に関わる法律、市場調査、お互いの歩み寄り、調整が必要です。そして、最も重要なことは、当事者を入れて話し合い、検証することではないかと強く感じました。
 共生社会と言われて久しいですが、講演で、図書館も共生社会実現を担っている場所の一つなんだという言葉が印象的でした。
 今年も1年間ありがとうございました。よいクリスマス、よいお正月をお迎えください。

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