「考える図書館」〜一人ひとりの心によりそって〜

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新刊図書目録「ロゴスのほん箱」

当館利用者の方々に新刊図書目録をお送りしております。
「ロゴスのほん箱」は偶数月に発行し、点字版、点字データ版、録音版、墨字版を利用者の方のご要望に応じて無料でお送りしております。

最新号の点字データとデイジーデータは以下よりダウンロードしてご利用ください。

●「ロゴスのほん箱」 第138号(2023年2月20日発行)●
点字版(zip・BES 11KB)
デイジー版(zip・13MB)

また、最新号から「潮見からのメッセージ」を以下に掲載します。

 ☆潮見からのメッセージ☆

こんにちは、いかがお過ごしでしょうか。館長の西田友和です。2023年最初の「ロゴスのほん箱」をお届けしてまいります。
12月に発行した当館の支援者向けニュースレター「通信あけのほし」にも書かせていただきましたが、秋から盲導犬ユーザーになりました。パートナーは「エル」という名前の雄のラブラドールレトリバーです。年齢はこの1月で3歳になったばかり。人間に例えると10代後半ぐらいにあたるのでしょうか。毛の色は黒で、体重はなんと31kgもあります。
失明して以来これまで外出時はずっと白杖を使ってきましたので、盲導犬歩行は生まれて初めてです。もちろん白杖には白杖の良さがあるわけなのですが、盲導犬との生活でしか得られない経験にあこがれを感じ、機会があればぜひ一度試してみたいと思っていました。またそれが社会啓発の一助となればとの気持ちもあります。
社会への啓発という意味では、確かにそれなりの効果はあるように感じます。最新の「盲導犬訓練施設年次報告書」によれば、2022年3月31日現在、日本の盲導犬の実働数はわずか848頭で、しかもその数は減少傾向にあるそうです。日本の全人口に対してこの数だけしかいないとなれば、多くの人にとって本物の盲導犬の姿を見かけるのはかなり珍しいはずです。愛くるしい動物が間にいることで心理的なバリアが一気に小さくなるのか、白杖で歩いていた頃より街中で声をかけられることが増えました。
その一方で、盲導犬に対する無理解や偏見も未だ根強いと聞きます。そもそも知る機会がほとんどなかった以上ある程度はやむを得ないのでしょうが、だからこそ一人でも多くの人に正しい理解と共感が得られるよう、働きかけていきたいです。
実は僕は子どもの頃からずっと犬が苦手でした。犬だけでなく、ありとあらゆる動物が苦手でした。それもあってまさか自分が盲導犬を持つことになろうとは思ってもみませんでした。
生き物への考え方や価値観が変わったのは子育てを経験してからのことです。儚くも尊い命が生まれ、それが懸命に生きようとする姿を目の当たりにして以来、色々なものを赦し、受け入れられるようになった気がします。初めて盲導犬の体験会に参加したとき、犬たちのけなげさや従順さに命の温もりのようなものを感じ、胸が熱くなりました。盲導犬をただの「歩く道具」としか考えられない人は、あるいはユーザーには向いていないのかもしれません。でも、少しでも盲導犬を命ある存在として温かく受け入れられるなら、盲導犬との生活はきっと豊かなものになります。興味のある方は、ぜひ一度体験会などに参加されてみてはいかがでしょうか。
今回も皆さまにとって素敵な書物との出会いがありますように。うららかな春はもうすぐそこまでやってきています!

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