「ロゴスのほん箱」147号を発行しました
新刊図書目録「ロゴスのほん箱」147号(8月20日号)を発行しました。
以下より点字データとデイジーデータがダウンロードできます。
●「ロゴスのほん箱」 第147号(2024年8月20日発行)●
点字版(zip・BES 10KB)
デイジー版(zip・13MB)
また、最新号から「潮見からのメッセージ」を以下に掲載します。
☆潮見からのメッセージ☆
バトンを渡す
館長 平井利依子
暑い日々が続いています。毎年のこととはいえ、体力気力とも低下しがちです。皆さまは元気でお過ごしでしょうか。
6月に関東地区点字図書館協議会という集まりで、研修会が行われました。当館が主催した研修会でした。講演2つのうち、ロゴスの理事でもあり、北海(ほっかい)点字図書館顧問である姉崎(あねざき)久志(ひさし)氏の講演を少しご紹介します。
姉崎氏は、音訳ボランティア歴50年以上、また、長年点字図書館の職員でもあり、私たちの大先輩です。
1972年に「朗読講習会」を受講後、当時は音楽を入れたり、音訳者のおしゃべりを入れたり、取材もあったりの広報誌を製作していたそうです。点字図書館に就職してからは、テープ雑誌20誌の発行に取り組み、ボランティアとは車の両輪の関係、つまり職員はボランティアを指示するものでもなく、一緒に同じ目的に向かって頑張ろうとしていたとのことです。姉崎氏の講演では、常に利用者のニーズに応える、という姿勢が伺えました。点字図書館は接客業、「見えなくなって、むしろ良かった」「命の恩人」と言われた言葉を重く受け止めていることなど、参考になることばかりでした。
「ラジオ深夜便」という番組に出演して北海道転居を公言したので、親の支援のため、神奈川から北海道への転居を決めたそうです。北海道でも様々な活動を展開して、デイジー図書やサピエ図書館の普及に努めました。現在は、再び神奈川に移り住み、まだまだ活躍しています。
講演で強調されたことは、やらない、やりたくないことを正当化するための理由作りにエネルギーを費やさない、どうすべきか考え、実行し、達成感を味わうことで仕事は面白くなるということでした。これは、仕事に限らず、生活や活動においてもあてはまるのではないでしょうか。仕事においてというより、人生において教えていただいたような、そんな講演でした。
温故知新という言葉があります。昔の点字図書館、視覚障害援助の先人たちの働き、実績、思いを知らずして業務の充実はありません。
姉崎氏は次の世代へのエールとして講演されましたが、私もその思いを受け取るとともに、皆さんがもっと豊かな人生が送れるよう、努力していきます。そして、いずれ私も次を担う人たちへバトンを渡す日がくると思います。そう考えると、もっとやることがあると、気持ちを新たにしました。
今月も「ロゴスのほん箱」で、どうぞよい本を見つけてください。