「考える図書館」〜一人ひとりの心によりそって〜

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「通信あけのほし」284号を発行しました

支援者向けニュースレター「通信あけのほし」284号(12月2日号)を発行しました。
最新号の巻頭言と館長挨拶を以下に掲載します。

  教皇レオ14世と平和   菊地功(きくち いさお)

 教皇レオ14世の教皇としての第一声は、「あなたがたに平和があるように」でした。教皇は5月8日の夕刻、サンピエトロ広場に集まった人々の前に姿を現し、教皇としての初めての祝福を与える前に、こう語りかけました。
 「愛する兄弟姉妹の皆さん。・・・これが復活したキリストの平和です。謙遜で、忍耐強い、武器のない平和、武器を取り除く平和です。この平和は神から来るものです。」
 この最初の呼びかけは、単なる挨拶ではなく、言ってみれば教皇レオ14世が何を最優先するのかを明示する宣言のように、その場で、教皇のすぐ近くにいたわたしには聞こえました。
 この最初の呼びかけを通じて教皇レオ14世は、混迷を深める現代世界において、教会が最優先するべき課題は、平和の確立であると明確に示され、またその平和は妥協の産物としての平和ではなく、武器を取り除いたところに初めて実現する暴力の支配を否定する平和であることも明示されました。
 その直後、2025年5月16日に諸外国の外交団とお会いになった教皇レオ14世は、「教会の宣教活動と聖座の外交活動の柱をなす3つのキーワード」として、「平和」と「正義」と「真理」をあげられ、ここでもご自分の方針の中心に平和があることを明示され、こう述べています。
 「第一のことばは平和です。わたしたちはしばしばこのことばを「否定的な意味で」、すなわち、たんなる戦争や平和の不在として考えます。なぜなら、対立は人間本性の一部であり、・・・それゆえ平和は、たんなる停戦、争いの休止期間であるかのように思われます。・・・キリスト教の観点では平和は何よりもまずたまものです。それはキリストが与える第一のたまものです。」
 その上で教皇レオ14世は、対話の必要性を強調するとともに、「平和は、心の中で、心から出発して、築かれます。傲慢と報復を取り除き、言葉遣いに注意することによって。なぜなら、武器だけでなく、ことばも、人を傷つけ、殺すことができるからです」と述べて、正義と真理に基づいた徹底的な平和の実現こそが、神の平和の実現、すなわち神の支配の確立であることを指摘しました。
 教皇レオ14世は、前任者である教皇フランシスコと同様に、平和と正義と真理を追究する教皇です。

リニューアル工事について(録音室・対面朗読室)   館長 平井利依子(ひらい りいこ)

 2025年4月の「通信あけのほし」に事業計画についてお伝えしましたが、重点施策の4つ目として掲げた、日本カトリック会館のリニューアル工事にともなう対応について動きがありました。
 詳細は後述の記事でご紹介していますが、録音室と対面朗読室を設置した部屋が日本カトリック会館の1階に移設・完成し、11月に引き渡しとなりました。
 録音室は今までは7階で、7階の前は、今回移設された1階にあったそうです。カトリック中央協議会のご配慮により、ロゴスの使用する部屋は1階に集約されますが、今年度は、録音室の移設でした。
 録音室にあたっては、まず他の施設へ見学に行き相談させていただきました。その後、業者との話し合いを重ねて、予算や環境負荷を考え、新設ではなく移設することにしました。それでも経費はかなりかかりましたが、助成金の申請や、何より皆さまの温かいご支援により、無事対応することができました。改めて御礼申し上げます。
 7階の録音室は、オフラインの状況で、録音図書(音声デイジー図書)を製作しておりましたが、どうしてもネットワーク環境が必要となり、移設に合わせてネットワークの工事を行いました。
 ネットワーク環境が整ったことで、録音に使用するソフト、パソコンも安定しました。この間音訳ボランティアの皆さまにはご迷惑をおかけしましたが、何とか環境を整えることができました。また録音室や対面朗読室が空いているときは、オンライン会議に使うこともでき、有効活用できます。
 来年度のリニューアル工事は、4月~9月が本館上層階、10月~2026年3月が下層階と分けて行うそうです。ロゴス点字図書館の事務室は天井工事が入る予定で、一時的に休館せざるを得ない状況になるかもしれません。
 来年度は勉強会等で使用していた会議室も使用できなくなります。そのため、今回完成した部屋の録音室と対面朗読室以外の空間を使い、継続して勉強会等を実施できればと考えております。
 また、今までカトリック中央協議会の電話を使わせていただいておりましたが、このリニューアルを機に、ロゴスの電話を設置することとなりました。電話の設置も、録音室・対面朗読室の部屋を含め、速やかに整えていきます。なお、電話番号、FAX番号は今までどおり変更はありません。
 今回新たにできました録音室・対面朗読室の部屋につきましては、改めてカトリック中央協議会に感謝するとともに、有効かつ大切に使わせていただきます。

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