「考える図書館」〜一人ひとりの心によりそって〜

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「通信あけのほし」281号を発行しました

支援者向けニュースレター「通信あけのほし」281号(4月15日号)を発行しました。
最新号の巻頭言と館長挨拶を以下に掲載します。

  巻頭言 教皇選挙   菊地功(きくち いさお)

 先日、アジア司教協議会連盟の会議に参加するために、一週間、タイのバンコクへ出かけてきました。この連盟組織は、アジア各国にあるカトリック司教協議会が参加して、多文化共生のアジアにおける教会のあり方を模索し、司教の研修会などを行っています。この会議に出かけるための飛行機の中で、「教皇選挙」という映画を見ることができました。
 ちょうど今、現実の世界では、教皇フランシスコが肺炎のために入院されています。一時は生命の危険さえもささやかれ、インターネット上では、すでに亡くなっているというフェイクニュースまで流れました。もちろん教会内外の多くの人が、回復のために祈っているのですが、それ以上にそういうフェイクニュースを喜んで受け止めている人がいるのも事実です。
 というのは、教皇フランシスコは、確固たる意思を持って、教会の改革を推し進めているからであり、特に教会の伝統を重要視する人たちからは、伝統を破壊する危険人物と見なされているきらいがあるためです。改革者であるのか危険人物であるのかは、その実りを持ってしか判断することはできません。わたしの立場からみれば、教皇フランシスコは、イエス・キリストが望まれた道に沿って教会が歩むように導く、力強い指導者です。
 仮に教皇様が亡くなられたとしたら、その二週間後には後継者の教皇を選出する選挙が行われることになります。たまたまそういう時と重なったこともあり、カトリックとはあまり関係のない日本においても、この「教皇選挙」という映画が話題になっているのでしょう。
 教皇選挙は、80歳未満の枢機卿によって、その他の人たちを入れることなく鍵をかけられたバチカンのシスティナ礼拝堂でおこなわれます。日本からは、今の時点で、わたしと前田(まえだ)枢機卿の二人が、教皇選挙権を持っています。
 さて、映画ですが、かなり綿密なリサーチのもとに、枢機卿や司教たちの衣装とか、バチカン内部の再現などがされており、選挙の模様も同様に正確でした。しかしストーリーはかなり荒唐無稽であると同時に生臭いもので、権力を手中にしようと様々な謀略が繰り広げられ、それらすべてが崩壊した後に、思いもよらない枢機卿が教皇に選ばれます。確かに、そのこと自体が、教皇選挙の本質であると思います。つまり、人間の欲望や思いではなく、神の計画の実現です。その意味で、今、神が現実世界の中でわたし達に何を求めているのか、心落ち着けて探りたいと思います。

事業計画について   館長 平井利依子(ひらい りいこ)

 昨年4月発行の「通信あけのほし」に、事業計画をご紹介しました。
 日ごろ、皆さまには事業計画をお伝えする機会がほとんどありませんが、今回も年度替わりのこの時期に事業計画をお伝えします。
 2025年度は、新しい職員を迎えました。職員全員が新鮮な気持ちで頑張っています。
 4月はちょうど、前年度の決算や、統計業務などに追われています。もちろん、当館のみならず、多くの会社は同じような状況と思われます。あっという間に1年が過ぎてしまった、というのが実感ですが、計画を考える際に立ち止まって反省したり、仕事を見直す時期となっています。
 2025年度の重点施策は、4項目あります。
 1つ目は、サピエ図書館へのテキストデイジーコンテンツアップの充実です。昨年度もテキストデータ化を進め、テキストデイジー製作の技術向上を掲げましたが、今年度はサピエ図書館へコンテンツをアップし、全国の利用者へテキストデイジー図書を提供していこうと思います。
 2つ目は、雑誌の提供を開始することです。利用者にとって、図書と同様、雑誌も貴重な情報源であり、タイムリーな情報を得るのに、雑誌はとても有効です。サピエ図書館にコンテンツがある点字雑誌、デイジー雑誌をロゴスでも扱い、利用者へお届けします。
 3つ目は「カトリック視覚障害情報提供施設連絡会 点字・音訳図書情報」テープ版のデジタル化です。1996年から2020年まで活動していた連絡会の図書情報のテープ版が発見されました。大切な財産と判断し、デジタル化をし、保存します。
 4つ目は、日本カトリック会館リニューアルにともなう対応です。今年度から、日本カトリック会館のリニューアル工事が開始されます。当館が使用している部分も移動する計画ですが、今年度は録音図書を製作するのに欠かせない録音室の移設があります。新設するよりは、現在ある録音室を移設することで、環境負荷を軽減します。また経費をかけることになりますが、移設することで、経費削減が実現します。録音室を移設する部屋には、対面朗読室も設置される予定です。無事移設が完了し、その部屋が問題なく使用できるよう、整えます。このリニューアルについて、もう少しお伝えしますと、ロゴスの使用する部屋は、現在1階のほかに2階や3階、7階にもありますが、カトリック中央協議会のご配慮により、利用しやすいようにすべて1階になる予定です。来年度は、2階にある書庫の移動や、事務室部分も工事に入ります。一気に工事するのではなく、業務をしながら順番に工事をしていきます。工事完了予定は、2026年度末です。部屋を移動すると重量などの制限もあり、この工事を機に、経費をかけても書架や棚など新しくしていき、働きやすい環境に整えなければなりません。また、カトリック中央協議会と意思疎通を図り、滞りなく進むように協力していきます。
 業務に大きな変更がなくても、時代の求めに応じて毎年何かしら新しいことに取り組まなくては発展しません。毎年の計画を考えるこの時期に、皆さまからの提案やご意見があればぜひお聞かせください。
 今年度もどうぞよろしくお願いいたします。

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